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くすり百話(第2回)H11.3.5
第3話 薬の語源
第4話 やかんとくすり
第3話 薬の語源            
 
  どうして「くすり」と言いうのでしょうか?

  薬は草冠が草の意味だから,薬草で楽になる物だ.と言う人があります.
  それは中国から日本に漢字が伝わってから後の事,その前があります.

  出雲大社へ行けば手がかりがあるといいます.
  出雲大社には,いろんな伝説を絵と 文字で表したものがあり、
  その一つに「くすり」の言葉の起こりを解説したものがある.
  それによる と
「奇(ク)すしき力を発揮することから,くすりというようになった」
  説明 されています.

  「奇すしき」とは,
  古い言葉で,並より優れている.突き出た. 不思議な.神秘的なと
いう意味であすから,不思議な力を発揮すものと言う意味でです.
  奇(ク)すしきの「ク」は,手品の意味の「奇術」の「奇」,奇跡の「奇」,
古くから有名なくすり 「奇応丸」 の「奇」を当ててあります.
  これで佐賀に古くからある「奇応丸」の意味もつ いでに
お解りになった事と思います.

  次は,漢字の「薬」の意味,
  日本のクスリという言葉は古くからあって,
  大陸から渡来した中国の(ヤク)という漢字を日本のクスリ
という言薬に当てたも のです.

   は草を意味する草冠と音を表現するラクの音の音楽の「楽」から
できています.楽の表す意味は「治療」の療です.療は「治す」
解釈されています.
   なお, 楽の意味は不明とする人や「つぶす」と解釈される
意見があります.

   したがって,「薬」病気を治療する草の意味です.

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第4話 やかん(薬缶) と くすり         

  お湯を沸かす「やかん」は
  漢字で書くと(缶)で、「薬」と罐詰めの「罐」を書き,も ともと薬を煎じる
  ために造られたものでした.

  奈良時代頃から中国の僧や遣唐使などにより大陸から薬,即ち漢方薬が伝わって
  まいりましたが,これらは煎じて布でこしてカスを除いて用いられました.
   この薬を煎じる道具は銅などの金属で造られ,直接火にかけることができ,注 ぎ口
  があり大変便利なものでした.

  江戸時代になって,お茶を飲む習慣が一般の人々に広まると「薬罐」は茶湯 を沸か
  すのに便利なものとして使われ,それが今日まで引き続き使用されてい るものです.
  道具の名前だけはそのまま残っているものであります.

   一方,薬を煎じる道具は安くて手軽に使用でき,かつ,生薬と鉄などの金属との作用
  による成分変質を起こさない陶器製が広く使われるようになっています.


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