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「リンデロンVGローションは1回にどれくらい処方できますか?」という病院からの電話。今まで外用剤も大量投与の目安があり1日量・1ヶ月量と病院薬剤師会報資料(日本病院薬剤師会雑誌1994年)を参考に表を作っていた。昨年から1部の医薬品を除いて内服の長期投与の制限がなくなり、外用剤も同様と考えて良いか、迷うところであった。 シップ剤を内服14日分に対して56枚の処方があり「チョット待てよ」とメーカーに経皮吸収による血中濃度への移行の問い合わせをしたこともあった。内服からの移行に比して20分の1ということだが、皮膚表面への沈着による光線過敏症を始めかぶれなどを考えてしまう。1日4枚平均貼ることになるが、6枚までは薬物動態上問題ないという結論を出し投薬した。 話を元に戻す。患者さんが処方箋を持ってみえて、ローションの使用方法を話す。「指先につけて痒みのあるところだけに少しづつ塗っておいてください。すり込まなくても良いです。しばらく乾かしておいてください。」と。すると、「2本では足りない。1週間で2本ぐらいすぐ使ってしまう。」安全性を考えて「1週間に1本ぐらいの割合で使ってもらうとシミにもならず安全な使い方ですけれどね」と答える。すると「背中を見せましょうか」といきなりシャツのボタンを外し下着をめくって後ろ向きになられる。びっくり。背中いっぱいの皮膚潰瘍で赤黒色のケロイド状態。お尻まで熱湯をかぶったとのこと。50日間の入院後、初外来である。指の先でなどととんでもない範囲であった。背中と腕の部分まで見せられ皮膚呼吸のことを考え、よく助かったことに思わずほっとしながら、さぞ痛み、息苦しさを考え大変でしたねと声をかけた。とりあえず、20mlを1日2〜3回うすく塗布するように言っておく。 Dr.の処方意図は何だったのか。長期連用による副作用を知りたかったのか。保険上の問題を知りたかったのか。ステロイド外用剤の連用の安全性使用基準を調べてみた。局所的副作用が発生しうる予想期間はT群で4週以上、U群で6週以上、V群で8週以上とあった。部位別連用時の安全期間は顔面・頸部・腋窩・陰股部を除けば4週以内とあった。リンデロンVGはV群なので局所的副作用が発生し得る予想期間は8週間とあった。安全に使うには4週間以内が良い。1週間の休薬で問題はないと。1日投与量として20g以上、体表面積20%以上の場合は全身的副作用が発生し得る予想量が示されていた。そんな資料をながめてもっと最大限でかつ安全量を処方していただきたいと処方医に資料を持っていった。 軟膏・クリーム・ローションの使い分けもう一度おさらいの必要性を感じた。 (参考資料:鳥取大学皮膚科 島雄教授、阿曾先生監修1990) |
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| (かみみね薬局 宮地和子) | |||||||||||||||||||||