薬草百選リスト | |
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(54) ア マ ナ (ユリ科) 山菜としても知られた早春の日溜まりに印象的な花をつける |
路傍、畑の畦、果樹園などに生えるが、通常は目につきにくい。 早春に、細長く、柔らかい葉をしたがえてパチクリと開いた 花が顔を出す。こんな所にあったのかと新たな発見をする。 アマナの名は球形の球根に甘味があることに由来している。 球根には、良質のデンプンが含まれ、苦味や刺激がないので 子供が性食するほか、山菜として知られている。 薬用は、開花期に球根を採取して、滋養強壮剤に煎じて服用する。 アマナ酒:球根をグラニュー糖と共に焼酎に漬ける。 |
(55) アミガサユリ(ユリ科) 地上生活わずか4〜5月の早春の薬用花 |
中国原産の多年草。春早く、佐賀県では2月頃花をつけ、5頃に は地上部が枯れるいっときの花である。 花の少ない時期に開花するので、近年、庭園の鑑賞花や茶花など の切り花として、利用が増加している。 アミガサユリの名は、花びらの内側に編み目の紋があるユリの仲間 に由来する。 また、球根は大小2枚の鱗片からなり、その形がハマグリに似て いるところから、母貝(バイモ)の名がある。 薬用は、花が終わり、地上部が枯れた後、採取し、石灰をまぶし て乾燥。鎮咳、去痰、解熱に煎じて使う。漢方にも配合される。 |
(56) ア ロ エ (ユリ科) 一番知られた外来の薬草 |
北アフリカ地方では紀元前の古くから薬用として用いられている 歴史の古い薬草である。今日、民間では、ドクダミ、ゲンノショ ウコとともによく知られた薬草である。 アロエは熱帯アフリカ原産の多年草で、約170種もの多くの種類がある。 製薬原料には、ケープアロエ、ソコトラアロエなど10種余りが 使われるが、日本の家庭では一般にキダチアロエが栽培され、 使用されている。 薬用には、薬用には、葉を使う。葉の水分を加熱などで除き、健胃、 下剤、炎症に服用する。また、葉肉をやけど、切り傷、虫さされなどに 貼る。 |
(57) キンカン(ミカン科) 七意外に栄養価の高い薬用果実 |
中国南部の原産で18世紀に日本へ渡来した果物として知られる。 キンカンの名は、原産地中国名の金柑の音読み。 キンカンは果皮ごと生食される。果皮には甘味と香気があり美味である。 ビタミンCのほか、ビタミンB1,B2を豊富に含み、カンキツ類の 中では最も栄養価が高いとされる。甘露煮、砂糖漬け、ゼリー、 マーマレードなどにも加工される。 薬用には、果実を12〜2月に採取し、咳止めに用いる。 民間では、果実に砂糖を加えて煮て暖かいうちに煮汁を咳止めに飲む。 |
(58) フ キ(キク科) 残雪から顔を出すフキのトウが愛らしい |
ほろ苦い味と早春、残雪からの土の中から顔を出す 「蕗のとう」 が印象的な薬草として知られる。 日本、朝鮮半島、中国の山野、路傍に自生する多年草。 古くから栽培もされる日本特産の蔬菜でもある。 フキの名は、茎葉に穴があり、折ると糸が出てくるフブキを指す という説と 用をたしたとき拭く「拭きの葉」に由来するという説がある。 薬用はつぼみ(フキノトウ)を咳止め、痰除去、解熱に用いる。 |