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薬を服用するうえでの基本的な知識

 基本的な注意

(1) 用法・用量を守って!

 1日に飲む回数や時間など、薬は指示された通りに使わないと十分な効果が得れません。特に小児や高齢者には、家族の方が気を配って下さい。

(2) 自分の判断で薬をやめないで!

 症状が軽くなっても、まだ病気が治りきっていないことがあります。自分の判断だけで薬を中止せず、必ず医師や薬剤師に相談して下さい。

(3) 似たような症状でも、全く違う病気であることがよくあるので、他の人との薬のやり取りはしないで下さい。間違った薬を服用すると、かえって病気を悪化させたりすることもあります。

(4) 古い薬は飲まないで!

 薬には使用期限があります。それを過ぎたものは品質の変化が心配されますので捨てるべきです。また、前の病気の時の薬が残っているから、それを飲もうというのも危険です。

(5) アレルギーなどの起こった薬は

 前に薬を飲んで異常の起こった経験があったら、その薬の名前を手帳などに控えておき、診察を受ける前や薬を買う前に医師、薬剤師に必ず話しましょう。

  内服薬の服用法

(1) コップ半分から1杯の水(湯ざまし)で飲んで下さい。

 ・水なしで飲むと、食道や胃を荒らすことがあります。

   高齢者は、唾液が少なくなっていますし、その他にも口が渇いているとき薬を飲むと、飲んだ薬が喉の奥にくっついたりします。まず、水で口の中を潤してから薬をのんで下さい。

 ・ミルクやお茶、コーヒー、アルコール飲料などで薬をのまないで下さい。薬によっては吸収が悪くなって効果が出なかったり、極端に 早く吸収されて効きすぎ、副作用が現れたりすることがあります。

 ・最近は、水なしで飲めるタイプの薬もでてきています。服用しずらい場合は、医師、薬剤師にご相談ください。

(2) 漢方薬のエキス剤は、お湯に溶かして飲んでも構いません。その場合は、先にエキス剤の粉末をコップに入れ、後でお湯を入れた方 が溶けやすいです。(白虎加人参湯、竜胆瀉肝湯、黄連解毒湯、清上 防風湯、三物黄ごん湯などは水で服用する方がよいと考えられてい ます)
 

(3) 特別の指示がない限り、薬は、かんだり、砕いたり、カプセルをはずしたりしてのまないで下さい。特に1日1~2回飲めばよい薬(長時間効く薬)はかみ砕かないようにしましょう。

 薬の服用時間とその目安

食 前

 食事のおよそ30分前に服用。食欲を増進させる薬や吐き気止め、あるいは食後だと吸収の悪くなる薬などがあります。

食直前

 食事をとるすぐ前に服用。糖尿病の薬の中には、食後の高血糖をおさえるために食直前に服用する薬もあります。

 最近は、食事5分前などより細かい時間の指定がある場合があります。その場合は、指示された時間に服用するようにしてください。

食直後

 食事後直ちに服用。痛み止めなどは胃や腸を痛めやすいので食後すぐに飲んだ方がいいでしょう。

食 後

 食事のおよそ30分後に服用。多くの薬がそうですが、もし飲み忘れるようなら食後すぐに服用してもいいでしょう。

食 間

 食事後およそ2時間後に服用。漢方薬など、薬の吸収が食物の影響によって減少するものや、胃の粘膜を守る薬などは、胃の中に食物がなくなってから服用した方が効き目がよいので食間に服用します。

寝る前

 寝るおよそ30分位前から寝る直前に服用。睡眠薬や便秘薬などがあります。

○時間毎

 6時間毎とか8時間毎など、指示された時間毎に食事に関係なく服用。

頓服薬

 必要に応じて服用。痛み止めや熱さましなどの症状を一時的に改善する薬が頓服薬です。でも症状がとれないからと言って続けて飲んではいけません。あくまでも医師や薬剤師の指示通り服用しましょう。

  薬をのみ忘れたときの一般的な対処法

(1) 1日3~4回飲む事になっている薬

 気がついた時すぐ飲む。次の服用時間が2時間以内位に追っていたなら服用しないこと。絶対に2回分服用しないこと。

(2) 1日2回飲む事になっている薬

 気がついた時すぐ飲む。次の服用時間が3時間以内位に追っていたら服用しないこと。絶対に2回分服用しないこと。

(3) 1日1回のむ事になっている薬

 朝のむ薬を飲み忘れたことを夜気づいても夜は飲まないで1回抜かし、翌朝飲む。絶対に2回分服用しないこと。

(4) 1日1回寝る前に飲む事になっている薬では.

 a.便秘薬や睡眠薬は、その分はとばす;次の日から飲む。

 b.その他の薬は翌日の午前中までに気づいたら飲む、その日の寝る前の分はのむ。午後に気づいたら飲まないで1回とばす。絶対に2回分服用しないこと。

 

*どの様な場合でもまとめて2回分を服用してはいけません!!

 

服用方法で、わからないときやお困りのときは、
薬を調剤した薬局の薬剤師にご相談ください。

引用文献

・佐賀県薬剤師会 平成13年度保険薬剤師講習会資料

・岡野善郎、永田郁夫 著 スキルアップのための漢方薬服薬指導(南山堂)